皆さん、こんにちは。
大田区議会議員の佐藤なおみです。
今日は、区の政策についてお話しする前に、まず私自身の個人的な経験をお話しさせてください。
今でこそ議員として活動していますが、私は、たった一人で4人の子どもたちを育ててきたシングルマザーです。当時は協力してくれる人もおらず、先の見えない経済的な不安と、終わりのない仕事と育児の両立に、文字通り心身をすり減らす毎日でした。
一番下の子をおんぶし、もう一人の子の手を引き、さらに二人分の荷物を抱える。そんな日常で、凝り固まった肩の痛みは限界を超え、ある日、私は意識を失ってその場に倒れてしまいました。幸い子どもたちに怪我はありませんでしたが、薄れゆく意識の中で私が感じたのは、「もう、一人では限界だ」という絶望と、「でも、誰に助けを求めればいいのか分からない」という深い孤独でした。
この経験こそが、私の政治家としての原点の根源の一つです。あの日の私のように、たった一人で痛みに耐え、声を上げることさえできずにいる人を、この大田区からなくしたい。その一心で、私はここに立っています。
だからこそ、知ってほしい。大田区の支援制度
当時の私がもし、今ある支援を知っていたら。もし、助けを求める心の余裕があったなら――。そう思わずにはいられません。だからこそ、今、困難を抱えている方には、ためらわずに利用してほしい制度があります。
男女共同参画推進センター「エセナおおた」には、専門のカウンセラーが常駐する各種相談窓口があります。
- 女性のための相談室
- 配偶者暴力相談(DV相談)
- ひとり親家庭支援窓口
また、新たな一歩を踏み出すための就労支援セミナーなども充実しています。これらは全て、区民の皆さんのためのものです。どうか、「こんなことで相談していいのだろうか」などと、一人で抱え込まないでください。
それでも残る、支援の「壁」
しかし、制度があるだけでは、本当に困っている人には届かない。それが、私の実感であり、今の大きな課題です。
1. 情報という「命綱」が届かない
私自身がそうであったように、日々の生活に追いつめられている時、支援情報を自ら探しにいく気力は残っていません。だからこそ、区がただ待っているのではなく、SNSなども活用し、こちらから手を差し伸べる「アウトリーチ型」の支援が不可欠です。
2. 「キャリアの分断」という見えない壁
育児などで一度仕事から離れた女性が、再び安定した職に就くことの難しさ。時給制の仕事で家計と育児を両立させることの厳しさ。私も痛いほど経験しました。学び直しへの支援や、女性の力を本当に必要としている企業とのマッチングを、さらに強化しなければなりません。
3. 多様化する「困難」への対応
ひとり親、DV被害といった分かりやすいカテゴリーだけでは括れない、介護疲れや本人の病気、社会的な孤立など、「見えにくい困難」は確実に増えています。こうした一つひとつの声なき声に耳を傾け、寄り添える体制が必要です。
私は、二度と、誰にも、私のような思いをさせたくありません。
「助けて」と言葉にすること、弱さを見せることは、決して恥ずかしいことではない。むしろ、その勇気ある一言を、社会全体で受け止め、支える。そんな温かい大田区を創ることこそが、私の役目だと思っています。
この問題について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。皆さんの声が、より良い大田区を創るための何よりの力となります。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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