こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
前編では、わが家の保護猫モモがFIP(猫伝染性腹膜炎)と診断され治療を始めるまでの状況について触れましたが、今回はその後の経過と、治療が60日を超えた現在のモモの様子について書いていきたいと思います。
あの日、不安で胸が詰まるような思いで治療に踏み切ったところから、今日こうして振り返ることができるまでに回復したモモの姿を思うと、本当に感慨深いものがあります。わが家のモモの治療はすでに60日を超え、過酷だった日々もあと1か月ほどで一区切りを迎える見通しとなり、これまでの道のりをあらためて振り返ると胸がいっぱいになります。


一時は「この子はどうなってしまうのだろう」と不安が尽きなかった日々
前編でも触れたように、治療に踏み切る前のモモは本当に危険な状態で、喘息のようにぜいぜいと苦しそうに呼吸しながら身体を丸め、トイレにもうまく行けず失敗が続き、ご飯もほとんど口にできず日に日に痩せ細っていきました。
抱き上げても体に力がなく、体温がどんどん落ちていくように感じられ、「このまま命が尽きてしまうのでは」と思ってしまうほどで、どうにか助けたいという思いと、どうしてあげればいいのか分からない焦りが入り混じった日々でした。

治療を選ばなければ助からなかったという現実
FIPは治療をしなければほぼ助からない病気で、当時のモモの様子を思い返しても、治療をしなければ間違いなく命はつながらなかっただろうと感じています。治療法が存在し、選択することができたことは本当にありがたく、そのおかげでモモの今の姿があります。
高額治療の現実と、家族としての選択
モモが使用した治療薬は検査費を除いて約90万円と非常に高額で、もうひとつ15万円ほどの薬もありますが、モモの状態や治療の確実性を考え、家族で相談しながら高額薬を選びました。当然ながら、必ずしも高額の薬でなければいけないわけではなく、猫の状態や家庭の事情によって適した選択は異なります。
そして週に一度必要となる経過診察の検査費は20万円を超えることが多く、検査は保険適用とはいえ回数制限や上限があるため戻ってくるのは毎回2万円ほどで、金銭面でも精神面でも簡単ではありませんでした。
それでも「この命を助けたい」という思いだけを支えに家族で協力しながら治療と向き合いました。


薬の飲ませ方 ― 我が家がたどり着いた方法
FIP治療に欠かせない毎日の投薬は、猫の性格によって大変なこともあります。我が家ではいくつか方法を試した結果、モモをそっと上向きにして口を開け、真ん中に薬を落とし、喉につまらないようスポイトで少量の水を含ませて流し込むというやり方が最適でした。
モモは比較的穏やかで暴れることもなく、この方法だと素直に飲んでくれたため投薬のストレスを最小限に抑えることができました。
同じように悩まれている方にとって、ひとつの参考になれば嬉しく思います。
保護猫について ― 病気が多い?その真偽は分からないけれど
よく「保護猫は病気が多い」と言われることがありますが、そのファクトがどれほど正確なのかは分かりませんが、猫それぞれの環境や背景が違うため、一概に言えるものではないと感じています。ただ、保護猫を迎えるにあたっては、こうした病気との闘いが突然訪れる可能性があることを心に留めておく必要はあると思います。
そのうえで、わが家の経験からはっきりお伝えしたいのは、
“ペット保険には必ず入っておいたほうがよい”
ということです。
保険があったからこそ治療に踏み切れた面もあり、すべてが補われるわけではありませんが、いざというときの精神的支えとしても本当に大きな存在でした。
そして今 ― 元気に走り回るモモと、もうすぐ迎える治療の節目
あれほど弱りきっていたモモが、いまでは他の猫や犬と走り回り、遊び、甘え、以前と変わらない姿を見せてくれるようになりました。その姿を見るたびに、苦しそうに呼吸していた日々、痩せ細っていた背中を思い出し、「本当によく頑張ったね」と声をかけたくなります。治療はあと1か月、最後までしっかり見守りながら、この経験がFIPと向き合う方々の力や参考になればと願っています。

動物愛護を大切にして活動する区議として
私は動物愛護を大切な政策の柱に掲げ、これまでもそしてこれからも活動を続けていきたいと考えております。
保護猫や保護犬を迎えるご家庭が安心できる環境づくり、困難に直面したときに孤立しない仕組みづくり、そして命と真剣に向き合う飼い主を支える地域社会の実現を目指しています。
モモの治療を通して痛感したように、動物の命を守るには正しい知識や情報、相談できる相手、そして少しの勇気が必要です。もし今、同じような悩みや不安を抱えている方がいらっしゃいましたら、どうかおひとりで抱え込まずいつでもご相談ください。
動物と人が安心して暮らせる町をつくるため、皆さまのお力になれればと思っています。
ご連絡、心よりお待ちしております。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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