大田区お役立ち情報

【迫る2040年問題】私の母が、皆さんのご家族が安心して介護を受けられる大田区であるために

大田区議会議員の佐藤なおみです。
いつも区政へのご理解、ご協力をありがとうございます。

4人の子育てに追われていた頃は、「今、この瞬間」を乗り越えることに必死でした。
しかし、子どもたちが大学や高校に進学し、ようやく未来を考える余裕が生まれた今、「親の介護」という次の大きなテーマが、私の目の前に非常に現実的なものとして立ち上がってきました。

つい昨年、私は100歳近くまで歳を重ねた祖母を看取りました。
そして母も80歳近くになり、幸い今は元気に暮らしてくれていますが――
「この先5年、10年後はどうだろうか?」
そう考えない日はありません。

これは、私個人の話ではなく大田区が抱える「待ったなし」の課題です。

はじめに

日本全体が急速な高齢化に直面する中で、大田区は23区でも特に高齢者人口が多い「超高齢化地域」です。地域の介護インフラが、“これまでの延長線”では立ち行かなくなる未来が、確実に近づいています。

2040年、大田区が直面する現実

今、わたしのまわりでよく耳にする言葉、それが「2040年問題」です。

* 団塊ジュニア世代が65歳以上へ
* 団塊世代が75歳以上の介護が最も必要となる年齢へ

つまり 「支える人が減り、支えられる人が一気に増える瞬間」が2040年に重なります。
そして、大田区はもともと高齢者人口が多い区のため、介護サービスの「需要」が、これまでに経験したことのない規模で急増していくことが確実視されています。

誰がその手を差し伸べてくれるのか

問題は「受けたい」人が増えるだけではありません。
そのケアを担う「介護人材」が追い付いていないことです。

わたしの叔母が祖母を看取る過程で、数えきれないほど多くの介護職員の皆さんに支えていただいたと聞いています。専門性と優しさを併せ持ち、家族のように寄り添ってくださる姿に心から救われたと。

しかしその現場は、

* 高い専門性が求められる
* 体力的にも精神的にも負荷が大きい
* それに比して賃金が十分ではない

という厳しい環境に置かれており、深刻な人材不足が続いています。

* 施設に入りたくても、人手不足でベッドが空かない
* ヘルパーさんを頼みたくても、派遣できる職員がいない

今起きていることが2040年には“ピーク”を迎えます。

大田区の支援や制度 〜現時点でできること〜

大田区ももちろん、この問題を見過ごしているわけではありません。
東京都と連携して様々な取り組みが行われていたり検討段階にあります。

● 介護予防・フレイル対策

* 「シニア元気アップ教室」「通いの場」など
* 介護状態の悪化を防ぐ日常的な健康プログラム
* フレイル検診・栄養支援の拡充

高齢者が“要介護になる前に”支える取り組みが強化されています。

● 在宅介護を支える支援

* ショートステイ・デイサービスの拡充
* 在宅介護者の相談窓口(地域包括支援センターの強化)
* 認知症初期集中支援チームの活動

在宅介護をするご家族の負担を軽減し、“孤独な介護”を減らす環境づくりが進んでいます。

● 介護人材への支援

* 介護職員の資格取得支援
* 研修やキャリアアップ支援
* 働きやすい職場環境づくりの支援

現場を支える人材を守る取り組みも始まっています。

● ICT・ロボット介護の導入

* 見守りセンサー
* 移乗(ベッド⇔車いす)ロボット
* 業務効率化のデジタル化

テクノロジーによる省力化が進み始めています。

それでも残る課題

しかし、これだけでは“2040年の介護需要の爆発”には耐えられません。
現場の声を聴くと次のような課題が浮かび上がってきます。

① 人材不足が深刻

* 介護離職を防ぐ仕組み
* 介護の専門性に見合った待遇改善
* 若い世代が入職しやすい仕組みづくり

これらが急務です。

② 在宅介護の家族が疲れ切っている

* 相談先が分からず孤立してしまう
* 介護と仕事の両立が難しい
* 介護者の「レスパイト(休息)」が不足

家族の支えだけでは限界があります。

③ 施設入所待ちが今後さらに増える

* 特養(特別養護老人ホーム)は入所待ちリスクが高まる
* 介護度が高い方の受け皿不足
* 夜間対応の施設の不足

需要増に対して、施設整備が追い付きません。

④ 認知症対策の遅れ

高齢化とともに急増する認知症。
認知症の方を支える仕組みは、まだ十分ではありません。

大田区がこれから取り組むべきこと

私は、区民の皆さんが「必要なときに必要な介護を受けられる大田区」を実現するために、次のポイントを重点的に考えていきたいと思います。

● 介護職の待遇改善とキャリア支援の抜本強化

「人を支える仕事」が報われる社会に。

● 家族の介護負担を軽減する支援の拡充

* ショートステイの拡大
* 介護者の休息(レスパイト)制度のさらなる整備
* 介護離職ゼロを目指した相談支援

● 認知症対策の早期化・地域全体での支援

「本人・家族・地域・医療」がつながる仕組みを強化。

● 介護のDX推進

少ない人手でも質を下げないためのテクノロジー活用。

● 施設整備と在宅支援の“両方”を強化

どちらかではなく、両輪で進めることが必要です。

まとめ

祖母の看取りに接し、母のこれからを案じる「娘」として。
そして区民の皆さんの未来を守る「議員」として。
2040年に向けた介護インフラの崩壊を無為に見過ごすわけにはいかないと思っております。

大田区が、皆さんのご家族が、そして未来の私たち自身が「安心して介護を受けられる地域」であり続けるために、これからも現場の声を聴き必要な政策を強く提言し行動していきます。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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