大田区お役立ち情報

大田区「産後ケア事業」はママと赤ちゃんへの「最初の贈り物」

皆様こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
いつも区政への温かいご理解とご協力をありがとうございます。

さて、今日は区議会議員の佐藤なおみとして、そして何より、4人の子どもをこの大田区で育て上げた「一人の母親」として、皆さんにぜひ知っていただきたい大切な事業についてお話しさせてください。そのテーマとは、大田区の「産後ケア事業」です。

はじめに

4人の母として、今、心から伝えたい。
大田区「産後ケア事業」は、ママと赤ちゃんへの「最初の贈り物」です。

今、このブログを読んでくださっている方の中には、出産を控えた妊婦さん、あるいは生まれたばかりの赤ちゃんの育児に奮闘中の新米ママさんもいらっしゃることでしょう。毎日、本当にお疲れさまです。

かくいう私も、今でこそ子どもたちは皆大きくなりましたが、4人の子育てに無我夢中だった時代がありました。
「お母さんなんだから、頑張って当たり前」あの頃の私にこの制度があったなら。

私が最初の子を産んだのは、もうずいぶん昔のことになります。
退院したその日から24時間体制、待ったなしの育児が始まりました。

母乳は足りている?
なんで泣き止まないの?
体重は増えてる?

夜中に何度も起きて授乳し、寝不足でふらふらになりながらも、「お母さんになったんだから、私がしっかりしなきゃ」と、それだけを自分に言い聞かせていました。

4人産んだとはいえ産後の体は一人一人違います。
3人目4人目だから楽ということも決してありませんでした。
むしろ上の子たちのお世話をしながらの新生児育児は、体力も気力もギリギリの毎日でした。

ちょっと休みたい
誰かこの子の抱っこを代わってほしい
私のやり方、本当にこれで合ってる?

そんな不安で押しつぶされそうになっても、当時は「親に頼る」か「自分で乗り切る」か、その二択しかなかったように思います。今でいう「産後ケア」なんて言葉も制度も、もちろんありません。

もし、あの時。

たった一日でもいいから、赤ちゃんを専門家に見てもらいながら、自分は温かいベッドでぐっすり眠ることができたら。母乳の悩みを、プロの助産師さんにじっくり聞いてもらえる場所があったら。私の心は、どれだけ救われただろうか。そう、当時の自分を思い出し胸が熱くなることがあります。

だからこそ、今、大田区で子育てを始める皆さんにお伝えしたいのです。「皆さんには、もう私たち世代のような“孤育て(こそだて)”はさせない」と。そのための素晴らしい制度が、今の大田区にはあるのです。

制度ができた背景

産後は、身体の回復が不十分な状態で赤ちゃんのお世話が24時間続き、心身への負担が非常に大きくなりやすい時期です。一方、核家族化や里帰りしない出産の増加により、身近に相談できる人がいないまま育児が始まるケースが増えています。また、出産後の不安や育児ストレスを抱えるお母さんからは「相談相手がいない」「休む時間がない」といった声が多く、産後うつや虐待リスクの増加も社会課題として注目されました。

こうした背景から、国は産後の母子支援を強化するために「産後ケア事業」を制度化し、自治体が助産師・医療機関と連携して支援を提供する仕組みが整えられました。大田区でも、産後のお母さんと赤ちゃんが安心して生活をスタートできるよう、宿泊・日帰り・訪問・外来など多様な形のケアを導入しています。

現在の課題・問題点

制度が充実してきた一方で、次のような課題も指摘されています。

1. 「制度そのものを知らない」人がまだ多い

産後ケアがあることを妊娠中に知らず、必要な時に使えなかったという声が多くあります。
出産直後は調べる余裕もないため、妊娠中の情報提供の強化が必要とされます。

2. 予約が取りづらい・利用したい時に使えない

宿泊型や人気の外来型では、希望日の予約が埋まりやすい状況が続いています。
「心身がつらいタイミングで利用できない」「キャンセル待ちが多い」などの声も課題です。

3. 利用できる期間が短い・回数制限がある

日帰り型は1回まで
宿泊型は最大5泊6日まで
グループケアは最大3回

といった制限があり、「もっと利用したかった」という声もあります。

4. 負担金が家庭にとって重い場合がある

自治体補助があるとはいえ、宿泊型・日帰り型は一定の費用がかかります。
特に経済的なハードルから利用をためらう方もいるため、負担軽減は大きな課題です。

5. 住民登録が条件のため、転入直後など使いづらさがある

区外で出産し、生後すぐに大田区へ転入した場合など、タイミングによっては「本来使えるはずなのに使いにくい」ケースも発生します。

6. こころのケアのニーズ増加に対応しきれていない

産後うつ・不安障害などの相談が増える中、
「もっとゆっくり相談したかった」
「継続的に話を聞いてほしい」
という声も多く、心理支援の体制強化が求められています。

このような背景をふまえて

大田区の産後ケアは、
「休む場所」「相談できる人」「安心して育児を始めるためのサポート」
として非常に重要な役割を持っています。

制度の背景や課題を書いておくことで、区民の皆さんが
「なぜ産後ケアが必要なのか」「どんな人のための制度なのか」
を理解しやすくなり、利用に向けた心理的ハードルも下がります。

「頑張らなくていい」場所。それが大田区の産後ケア事業

「産後ケア」と聞くと、「よっぽど大変な人が使うもの」「贅沢なサービス」と思っていませんか?
まったくそんなことはありません。

これは、出産という大仕事を終えたすべてのお母さんと、この世界に生まれてきてくれた赤ちゃんが、健やかに新しい生活をスタートするために「必要なケア」であり、「利用する権利」です。大田区の産後ケア事業は、皆さんの状況に合わせて、大きく3つのタイプから選べます。

1. 宿泊型(ショートステイ)

「とにかく眠りたい」「退院後、自宅に戻るのが不安」
そんな方には区が契約している病院や助産所に、赤ちゃんと一緒に数日間宿泊できるタイプがおすすめです。夜間の授乳も助産師さんたちがサポートしてくれます。お母さんはまず自分の体を回復させることに専念できますし、その間に授乳のコツや沐浴の方法をじっくり学ぶこともできます。

2. 日帰り型(デイケア)

宿泊まではしなくてもいいけど、日中だけでも専門家のそばで休みたい。午前中から夕方まで、施設で過ごすタイプで、ランチも用意されている場所が多く、まさに「至れり尽くせり」の環境。他のママさんたちと少しおしゃべりするだけでも、気分転換になります。「今日はプロに任せて、私は少し休もう」という日をぜひ作ってください。

3. 訪問型(アウトリーチ)

上の子もいるし、家から出るのが大変。ご自宅に助産師さんや保健師さんが訪問してくれるタイプで、いつもの生活空間で赤ちゃんの体重を測ってもらったり、母乳マッサージを受けたり、育児の悩みをマンツーマンで相談できます。「こんなこと聞いていいのかな?」という些細なことも、訪問型なら気兼ねなく聞けますよね。

利用の流れ

1. 利用対象・準備

対象:
大田区に住民登録があるお母さんと赤ちゃん

利用開始時期・期間:
訪問型・外来型:産後〜赤ちゃんが1歳になる前日まで

日帰り型:
産後〜赤ちゃんが5か月になる前日まで

宿泊型:
産前28週以降 または産後から予約可(赤ちゃんが5か月未満まで)
※宿泊は最大5泊6日まで

グループケア型:
産後5か月未満が対象

利用券方式:
妊婦面接の際に利用券冊子を受け取り、ケアの際に提出します。

2. ケアの種類ごとの流れ

● 訪問型・外来型
利用券を持って委託事業者(助産師)へ直接連絡
利用券に必要事項を記入し、1回につき1枚提出
ケア実施後、利用者負担金を支払い
キャンセル・変更は前日15時まで(施設により異なる)

● 日帰り型
希望する施設へ直接予約
利用券を記入して1回につき1枚提出
ケア終了後に利用者負担金を支払い
利用できるのは「1回まで」
お母さんの健診当日・赤ちゃんの予防接種当日は利用不可

● 宿泊型
出産前(一定週数以降)または産後に予約
利用券を必要泊数分提出(例:1泊2日=2枚)
終了後に利用者負担金を支払い
希望の泊数や日程は、施設の空き状況により取れないこともある

● グループケア型
事前予約制
指定の会場で実施
利用券1枚/回、最大3回まで利用可能

3. 支援内容

お母さんの体調チェック
授乳相談・乳房ケア
育児相談(抱っこ・授乳姿勢・沐浴など)
赤ちゃんの体重・発育チェック
休息の確保
不安や悩みの相談

4. 利用券・支払い

利用時に利用券を提出
ケア終了後に利用者負担金を支払い
利用券を紛失した場合は、再発行の手続きが必要

5. 注意点

・利用日時点で大田区に住民登録が必要
・他区に転出した場合は全額自己負担になることがあります
・キャンセル期限は施設により異なるため要確認
・施設の予約は混雑する場合があるため早めの連絡が安心

相談窓口

● 大田区 健康づくり課
産後ケア事業に関する総合的な問い合わせ窓口
(妊娠〜出産後の支援全般を担当)

● 大田区 子育ち支援課
育児支援サービス(例:家事・育児援助サービス「にこにこサポート」など)に関する相談

● 各産後ケア実施施設
宿泊型・日帰り型・外来型・訪問型のケアを提供する施設、助産院など
※予約や利用の詳細は施設へ直接問い合わせ

「一人で抱え込まない」と決めてください。

私が議員として、そして4人のうち1人の子育てを終えた母として、この「産後ケア事業」の充実を訴え続けるのには理由があります。産後は、ホルモンバランスの急激な変化で誰でも涙もろくなったり落ち込んだりします。それは、あなたの心が弱いからではありません。そんな「一番大変な時期」に、たった一人で赤ちゃんと向き合い社会から孤立してしまうこと。それが「産後うつ」や、最も悲しい「児童虐待」の芽につながってしまうことを、私たちは知っています。

だから、この産後ケア事業は、お母さん一人のためだけのものではありません。

お母さんの心が元気になれば、赤ちゃんはもっと笑顔になります。
お母さんの笑顔は家族みんなの太陽です。

この事業は、大田区という地域全体で新しい命と家族を丸ごと支えていくという「決意表明」でもあり、私が子育てをしていたあの頃には、欲しくてもなかった「支援の手」が今、皆さんには差し伸べられています。

だからこそ皆さんにはお願いがあります。
「私はまだ頑張れる」と我慢しないでください。

「すこやか赤ちゃん訪問」で保健師さんが来た時、あるいは区役所の窓口でこの「産後ケア事業」のパンフレットを見たら、それは「あなたへの招待状」だと思ってください。大田区は、全力で産後のあなたをサポートする準備ができています。

一人で抱え込まず、この素晴らしい制度を「当たり前のこと」として利用し、どうか健やかで笑顔あふれる子育てのスタートを切ってください。私も4人の母として、そして皆さんと同じ地域に住む議員として皆様の子育てを心から応援しています。

※ご案内)
大田区の「産後ケア事業」の詳しい利用方法や対象施設については、大田区の公式ホームページや、お近くの地域健康課、子ども家庭支援センターでご確認ください。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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