皆さん、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
春。それは、子どもたちの新しい門出を祝う、希望に満ちた季節です。
しかし、その春の光の裏で、人知れず深いため息をついているご家庭があることを、私は決して忘れません。
「お金がなくて、制服やランドセルが買えない…」
議員である私の元には、そうした悲痛な声が届きます。
今日は、そんな声なき声を議会に届けたことで、一つの制度が見直されるきっかけとなった経緯について、お話しさせてください。
「入学後」の支給では意味がない。制度の“矛盾”
大田区には、経済的に困難なご家庭の小・中学校への入学準備を支援する**「新入学用品費(入学一時金)」**という制度があります。これは、「就学援助制度」の一部で、制服や学用品などを購入するための費用を支給する、非常に大切な制度です。
しかし、私が議員になった当初、この制度には大きな矛盾がありました。
それは、入学準備のためのお金が、入学後の7月頃に支払われていたのです。
考えてみてください。
制服も、ランドセルも、体操着も、すべて入学式までに揃えなければなりません。4月の入学に間に合わせるためには、遅くとも2月や3月には購入する必要があります。
それなのに、お金が支給されるのは入学から3ヶ月も経った夏。
これでは、本当に困っているご家庭を救うことはできません。結局、支援を必要としているご家庭は、消費者金融などに頼って一時的にお金を工面し、後から支給される援助金でその場しのぎをする…という、本末転倒な事態が起きていたのです。
「これでは、貧しい家庭を本当に助けることにはならない」
私には、制度一つで涙をのむ親御さんたちの顔が目に浮かぶようでした。
一つの質問が、見直しのきっかけに
私自身の経験からも、入学準備にかかる費用の重みは痛いほどわかります。新しい生活への期待よりも、お金の心配が心を支配してしまう苦しさ。子どもに「ごめんね」と謝らなければならない親の無念さ。
「この矛盾は、おかしいのではないか。当事者の視点で見直すべきではないか」
その一心で、私は大田区議会の場で、この問題について質問しました。
「入学準備金は、入学前に支払ってこそ、本当に意味のある支援になるのではありませんか?当事者の視点に立った制度運用に見直すべきです!」
私の質問は、議会や行政の中で、この問題を改めて考える一つのきっかけとなりました。
その後、区の執行部が真摯に検討を重ねてくださった結果、ついに制度が大きく動いたのです。
現在、大田区の「新入学用品費」は、申請すれば入学前の3月までに支給されるように改善されました。
これにより、ご家庭は入学前に支給されたお金で、落ち着いて必要なものを準備できるようになったのです。
政治とは、声なき声に光を当てる仕事
区民の皆さんの「困った」という声が議会に届き、それがきっかけとなって行政が動いてくださり、制度がより良いものに変わっていく。
この一連の流れを目の当たりにできたことは、私にとって大きな喜びであり、議員としての誇りです。
政治とは、ただ決められたルールを運用することではありません。そのルールによって、実際に誰かが苦しんでいないか、矛盾が生じていないかに目を光らせ、当事者の声に耳を傾け、より良い未来のために変えていく仕事です。
「どうせ言っても無駄だ」と、あきらめないでください。
あなたの一つの「困った」という声が、制度を変え、未来の子どもたちを救う力になります。
私はこれからも、制度の狭間で苦しむ人の代弁者であり続けます。
何かお困りのことがあれば、どうか一人で悩まず、私、佐藤なおみにお声がけください。
あなたの声が、この大田区を動かします。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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