皆さま、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
私自身、子育てと仕事の両立に日々奮闘する中で、多くの親御さんと同じように「小学校に入ったら、仕事との両立はどうしよう…」「学童に入れなかったら、子どもだけで留守番させるのは不安…」といった悩みに直面してきました。共働きのご家庭にとって、お子さんの放課後の過ごし方は、切実な問題です。子どもたちが安全に、そして豊かに過ごせる場所を確保することは、子育て支援の根幹であり、社会全体の課題でもあります。今回は、大田区の「学童保育」に焦点を当て、その現状と課題、そして未来に向けた私の考えをお伝えします。
※学童保育でお困りの方はこちらからご相談ください。
大田区の放課後対策:2つの選択肢
現在、大田区の小学生の放課後の居場所には、大きく分けて2つの選択肢があります。
- 学童保育(育成事業)
保護者の就労などにより、放課後に家庭での保育が困難な児童を対象とした、生活の場を提供する事業です。宿題をしたり、おやつを食べたり、指導員の見守りのもとで遊びながら、保護者の帰りを待ちます。利用は有料で、事前の申し込みと審査が必要です。 - フレンドリーキッズ(放課後子ども教室)
全児童を対象に、小学校の施設を活用して、安全な遊びの場を提供する事業です。地域の大人の方々が見守り役となり、子どもたちが自由に過ごします。利用は原則無料で、登録すれば誰でも参加できます。
一見、充実しているように見えますが、保護者の皆さまからは多くの切実な声が寄せられており、いくつかの大きな課題が浮き彫りになっています。
横たわる「3つの壁」 – 大田区学童保育の課題
- 待機児童という「入所の壁」
まず最大の課題が、待機児童問題です。保育園と同様に、学童保育にも定員があり、希望しても入れない子どもたちがいます。大田区では施設の拡充を進めていますが、女性の就業率向上などを背景に需要の増加に追いついていないのが現状です。特に、新1年生の受け入れが集中する4月には、多くのご家庭が不安な気持ちで結果を待つことになります。 - 「小4の壁」- 高学年の居場所問題
次にあるのが、いわゆる**「小4の壁」**です。多くの学童保育では、低学年(1〜3年生)が優先されるため、4年生以上になると継続して利用することが難しくなったり、新規で入れなくなったりするケースが後を絶ちません。「4年生になったから、一人で留守番できるでしょう」というのは、必ずしも実態に合っていません。子どもの安全確保はもちろん、友達と関わる大切な機会が失われることにもつながり、高学年ならではの居場所づくりが急務です。 - 「量」の確保と「質」の向上という壁
待機児童対策として施設の数を増やす「量」の確保は重要ですが、それだけでは十分ではありません。「一つの部屋に大勢の子どもがいて、落ち着いて過ごせない」「指導員の先生が忙しそうで、なかなか話を聞いてもらえない」といった声も聞かれます。子どもたちが安心して過ごせる環境を整えるためには、十分なスペースの確保や、子どもたちの成長を支える指導員の確保と待遇改善が不可欠です。「質」の伴った環境でなければ、本当の意味での「安心」にはつながりません。
課題解決に向けた提案や取り組みについて
これらの課題を解決し、すべての子どもたちが笑顔で放課後を過ごせる大田区を実現するために、以下の点に取り組めたらとお思っています。
- 待機児童の解消と「小4の壁」
学校の余裕教室や公共施設、さらには民間施設との連携も視野に入れ、受け入れ枠の抜本的な拡大ができないか。また、高学年がやりがいを感じられるような専用スペースの設置や、スポーツ・文化活動など魅力あるプログラムを導入することで、「小4の壁」をなくせたらと考えております。 - 指導員の専門性向上と働きやすい環境づくり
子どもたちの成長を支える指導員は、学童保育の要です。適切な研修機会の提供による専門性の向上と、業務負担の軽減や待遇改善を進め、指導員が誇りを持って働き続けられる環境を整備するよう、予算編成の場で提案できないか。 - 保護者の声を行政に届けるパイプ役に
制度をより良くしていくためには、実際に利用している保護者の皆さまの声が何よりも重要です。定期的な意見交換会の開催や、オンラインでのアンケートなどを通じて、現場のニーズを的確に把握し、区の施策に反映させていくことができないか。
子育てと仕事の両立は、個人の努力だけで乗り越えられるものではありません。社会全体で子どもたちの成長を支えるという意識のもと、誰もが安心して子どもを預け、働ける環境を整えることが、ひいては区全体の活力につながると考えております。
学童保育に関するお困りごとやご意見がございましたら、どんな些細なことでも構いません。ぜひ、皆様のお声をお聞かせください。
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