皆さま、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
大田区では、区民の皆さまが安心して暮らせるまちづくりを目指し、様々な支援を行っています。中でも子育て支援は、私たちの未来を担う子どもたちのために、特に力を入れている分野です。
今回は、数ある支援の中でも「ひとり親家庭」を対象としたレクリエ-ション支援を題材に、まずその具体的な仕組みと課題を詳しくご説明し、さらに、こうした支援に対する「公平性」という難しい問題について、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
第1部:ひとり親家庭向けレクリエーション支援の、具体的な仕組み
まず、「大田区に、ひとり親家庭専用のディズニー割引はありますか?」というご質問に対する答えですが、区が直接運営している制度は、現在のところ存在しません。
しかし、区の関連団体に加入することで、割引を利用できる可能性のある仕組みが2つあります。
- 【ひとり親家庭向け】大田区母子寡婦福祉会を通じた支援
大田区のひとり親家庭や寡婦の方々のための自主組織「大田区母子寡婦福祉会」の会員になることで、年に数回、東京ディズニーリゾートの割引パスポートの斡旋(あっせん)を受けられる機会があります。 - 【区民・勤労者向け】ウィング大田を通じた支援
こちらはひとり親家庭に限定されませんが、大田区在住・在勤の方向けの福利厚生団体「ウィング大田」の会員になることで、パスポート購入に使える補助券が提供されます。
この仕組み自体にも、「情報が届きにくい」「多忙で手続きの余裕がない」「利用できる期間が限られている」といった、当事者の皆さまが利用する上での課題が多く存在します。私たちはまず、この「支援を届けやすくする」という改善に、全力で取り組まなければなりません。
第2部:「不公平ではないか」という声と、私たちが向き合うべきこと
ここで、大変重要な点に触れさせていただきます。こうした特定の家庭への支援について、「不公平ではないか」「なぜひとり親家庭だけが優遇されるのか」というご意見があることも、私たちは真摯に受け止めております。
全ての区民の皆さまが、日々の生活を一生懸命に送り、税金を納めてくださっている中で、こうしたお声が上がるのは当然のことかもしれません。
私たちが目指す「公平」とは、全ての世帯に全く同じ支援をすること(平等)だけを意味するものではありません。それぞれの家庭が抱える困難や状況に寄り添い、特に大きな負担を抱える方々を社会全体で支えること、それもまた、社会全体の「公平性」を保つ上で不可欠な考え方です。
統計的に見ても、ひとり親家庭は、二親世帯に比べて経済的にも時間的にも、厳しい状況に置かれやすいという事実があります。たった一人で仕事と子育ての全てを担う負担は、決して小さなものではありません。
だからこそ、この支援は「優遇」ではなく、子どもたちが家庭環境を理由に、他の子と同じような経験や笑顔を諦めることがないように、そして、親子で過ごす「息抜きの時間」を少しでも持てるように、社会が果たすべき「支え」であると考えています。
まとめ:子どもへの支援は、社会全体への「未来への投資」
そして何より、困難な環境にある子どもたちを支えることは、巡り巡って、地域社会全体を豊かにすることに繋がります。
大田区で育つ全ての子どもたちが、その生まれ育った環境に関わらず、健やかに成長できる環境を整えること。それは、全ての区民の皆さまにとって、未来への大切な資産となるはずです。
この問題は、簡単に答えの出るものではありません。だからこそ、支援の仕組みをより使いやすく改善していくと同時に、なぜその支援が必要なのかを丁寧に説明し、区民の皆さまと対話を重ねていくことが重要です。
ご理解をいただきながら、誰もが「このまちに住んでいて良かった」と思えるような、温かい大田区を築いていきたいと願っています。
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