皆さん、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
2025年8月、暦の上では秋とはいえ、まだまだ暑い日が続きますね。
私は今、自分が住む地域からほんの少し足を延ばし、お隣の雪谷地区に来ています。東急池上線「石川台駅」のほど近く、こんもりとした緑の杜(もり)に護られるように鎮座する「雪ヶ谷八幡神社」。皆さんも、一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。
今日は、この地域の人々から「八幡さま」として親しまれ、深く信仰されてきたこの神社の、長い歴史と今に続く魅力に触れてみたいと思います。
雪ヶ谷の里を見守り、450年以上の歴史
雪ヶ谷八幡神社の創建は、今から450年以上も昔の永禄年間(1558~1569年)、戦国時代の真っ只中に遡ります。当時の武将、北条氏康の家臣であった太田新六郎という人物が、この地で古い石碑を発見したことをきっかけに、八幡様をお祀りしたのが始まりと伝えられています。
それ以来、雪ヶ谷八幡神社は「雪ヶ谷の里」の鎮守様として、この地域の平和と人々の暮らしを、時代の移り変わりの中で静かに見守り続けてきました。昭和20年の空襲で社殿が焼失するという悲しい出来事もありましたが、氏子の皆さんの熱い想いによって昭和34年に再建され、現在の立派な姿を取り戻しています。
境内に息づく、歴史と人々の願い
緑豊かな境内を歩くと、様々な歴史の息吹と、人々が寄せてきた願いの数々に出会うことができます。
- 大横綱・大鵬の「出世石」
昭和の大横綱、大鵬関が若手の頃、この神社の近くに部屋があり、よくお参りをしていたそうです。その後、見事に横綱に昇進したことから、感謝の意を込めて奉納されたのが、手形が刻まれた「出世石」です。今も多くの子どもたちが、その大きな手形に自分の手を重ね、驚きの声を上げています。 - 大田区の文化財「庚申塔群」
境内の一角には、江戸時代に村の各地に建てられていた7基の庚申塔が集められています。これは、人々の健康や長寿を願う民間信仰の証であり、大田区の貴重な文化財に指定されています。 - 安産と子育ての神様として
八幡様のご祭神である応神天皇とその母、神功皇后は、母と子の神様としても篤く信仰されています。そのため、安産祈願や子どもの健やかな成長を願う七五三などで、今も多くの家族連れが訪れる、温かい祈りの場となっています。
地域の「ハレの日」を彩る例大祭
そして、雪ヶ谷八幡神社が一年で最も熱気に包まれるのが、9月中旬に行われる「例大祭」です。
威勢のいい掛け声と共に町内を練り歩くお神輿、境内にずらりと並ぶ屋台、そして奉納される演芸の数々。子どもからお年寄りまで、地域の人々の笑顔がはじけるこのお祭りは、まさに地域の絆を再確認する大切な「ハレの日」です。
私たちが住む街のすぐお隣に、これほど長く、深く、地域の人々と共に歩んできた場所がある。それは、とても豊かで、幸せなことだと感じます。
日々の喧騒から少し離れたくなった時、心を静かにしたい時。
緑の木々に囲まれた雪ヶ谷八幡神社の杜へ、散策に出かけてみてはいかがでしょうか。きっと、清々しい空気と、変わらない時の流れが、皆様を優しく迎えてくれるはずです。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
ご意見やご相談はこちら
佐藤なおみへのお問い合わせ