皆さん、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
「勝海舟記念館に行きたいのに、洗足池駅からどう行けばいいか分かりにくい」
「どうして、のぼり旗や案内板をもっと立ててくれないの?」
こうしたお声やご意見を、地域の皆さんからいただくことがあります。
せっかく大田区が誇る素晴らしい記念館へ足を運んでくださる方を、道に迷わせてしまうのは本当に心苦しい限りです。
実はこの問題、私もかねてから課題に感じており、議会の場で「来訪者のために、もっと分かりやすい案内を設置できないか」と質問をしたことがあります。
しかし、その時の行政からの答弁は「設置は、極めて難しい」というものでした。
「なぜ、そんなに難しいの?」今日は、その背景にある複雑な事情と、今後の可能性について、皆さんと共有したいと思います。
案内板の前に立ちはだかる、見えない「壁」とは
なぜ、駅からの道に目立つ案内板の設置ができないのか。
それは、美しい洗足池周辺の環境が、何重ものルールによって厳格に守られているからです。そこには、大きく分けて2つの「壁」が存在します。
壁①:デザインの壁(風致地区というルール)
まず、洗足池駅の周辺一帯は「風致地区(ふうちちく)」という特別なエリアに指定されています。これは、池と緑が織りなす、あの落ち着いた美しい景観を未来永劫守るための、とても大切なルールです。
このルールがあるため、派手な色の「のぼり旗」や、一般的なプラスチック製の案内板を立てることは、景観を損なうとして原則として認められていません。 もし何かを設置するなら、木製にするなど、周囲の自然に溶け込むデザインにしなくてはならないのです。
壁②:場所の壁(道路法というルール)
次に、駅からの道、つまり「歩道」に案内板を置くには、「道路法」という法律の壁が立ちはだかります。歩道は、あくまで誰もが安全に通行するための公共スペースです。そのため、通行に直接関係のない案内板などを設置するための許可(道路占用許可)を得ることは、非常にハードルが高いのが実情です。
「できない」で終わらせないために。
法律や条例で決まっているから、と諦めてしまうのは簡単です。しかし、政治の役割はそこから一歩踏み込むことだと、私は考えています。
「洗足池の美しい景観を守る」ことと、「来訪者を温かく迎える」こと。
この二つは、決して対立するものではなく、両立させるべきものです。
物理的な看板の設置が難しいのであれば、別の方法で解決することはできないでしょうか。
- 景観に調和する、上質な案内板を粘り強く交渉する
- 駅前の地図などにQRコードを設置し、スマホでルート案内を見られるようにする
- 駅周辺のお店にご協力いただき、小さな案内マップを置いてもらう
など、知恵を絞れば、規制の中でもできることがあるはずです。
勝海舟記念館は、大田区の宝です。
その価値を多くの人に知ってもらうため、そして訪れるすべての人を気持ちよくお迎えするために、私はこれからも、この「わかりにくい」という声に真摯に向き合い、解決の道を探し続けていきたいと思います。
皆さんのご意見も、ぜひお聞かせください。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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