大田区お役立ち情報

「大田区 障がい者相談」親の負担軽減と学校生活の質の向上を目指して

大田区議会議員、佐藤なおみです。

私はこれまで、区民の皆様の「生きづらさ」を解消し、「誰もが自分らしく輝ける大田区」の実現を目指して、特に福祉と子育て支援の分野で活動を続けてまいりました。その中で、最も力を入れてきた課題の一つが、「障がいのある方とそのご家族への切れ目のない支援」です。特に、障がいのあるお子さんが普通学校(通常の学級・通級・特別支援学級)で充実した学校生活を送るための環境整備は、親御さんの精神的・肉体的な負担の軽減に直結する重要なテーマだと考えています。

今回は「障がい者相談」について、区の現状や相談窓口の役割に触れながら、日常生活はこれまでと変えず、宿泊を伴う遠出や学校行事の場面に限って専門職が関わることで、親の負担が軽減されたケースを踏まえてお話しします。

1.大田区の「障がい者相談」はどこにある?

大田区では、障がいのある方やそのご家族が抱える多様な悩みに対応するため複数の相談窓口を設けています。一方で、「相談先が多く、どこに相談したらよいのか分かりにくい」という声があるのも事実です。

区役所の地域福祉課では、身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳などの申請をはじめ、福祉サービス全般に関する基本的な相談を受け付けています。また、地域ごとに設置されているあんしんすこやかセンターでは、日常生活の中で生じる困りごとや支援の調整について、より身近な立場で相談に応じています。地域の状況を把握しているからこそ、家庭ごとの実情を踏まえた案内ができる点が特徴です。

さらに、障害者地域生活支援センターでは、障がいのある方が地域で生活を続けていくための、より専門的で継続的な相談支援が行われています。サービス利用の組み立てや、本人の特性を踏まえた支援のあり方についてじっくりと相談できる場となっています。

2.学校生活の支援が変わりつつある大田区

「親の付き添い」に加えて「専門職による支援」へ

これまで、医療的ケアや特別な配慮が必要なお子さんの場合、宿泊を伴う校外学習や遠方への移動については、親が付き添うことが前提とされる場面が少なくありませんでした。その結果、親御さんは仕事を休み、交通費や宿泊費を自己負担しながら同行する必要があり、精神的にも経済的にも大きな負担を抱えてきました。

近年、大田区では、こうした状況を少しずつ見直し、日常の通学や生活はこれまで通りとしながら、宿泊を伴う行事や遠出といった特に負担が大きくなる場面に限って、医療的ケアに対応できる専門の看護師が支援に入る体制づくりが進められています。この形であれば、普段の生活リズムを大きく変えることなく、必要な場面だけ専門的な安全面の支えを確保することが可能になります。

このケースでは、親御さんも行事には同行していますが、医療的な判断や対応をすべて担う必要はなくなりました。専門の看護師がそばにいることで、親は「すべてを背負う付き添い」から離れ、安心して見守る立場に回ることができます。夕食などの食事については、親御さんがご自身で対応されていますが、それは無理を強いられるものではなく、できる範囲での現実的な関わり方として受け止められています。

また、これまで必要だった親御さん自身の交通費や宿泊費がかからなくなったことも、負担軽減の大きな要素です。金銭面だけでなく、「行事があるたびに出費や調整を考えなければならない」という心理的な重さが和らいだことは、家庭全体の生活にとっても大きな変化だと言えるでしょう。

3.障がいのある方が「地域で当たり前に暮らす」ために

学校生活の支援だけでなく、障がいのある方が成長し、地域で暮らし、働いていくことを考えたときにも、相談支援の役割は重要です。就労に関する相談では、本人の希望や特性を踏まえながら、働く場とのつながりや働き続けるための支援が行われています。また、住まいや日中の居場所に関する相談は、将来への不安を和らげるうえで欠かせないものです。

障がいのある方が、地域の一員として自然に生活できる環境を整えていくためには、制度を整えるだけでなく、相談を通じて見えてくる一つ一つの課題に丁寧に向き合うことが必要だと感じています。

4.相談する一歩が、無理のない支援につながる

最後にお伝えしたいのは、「すべてを親だけで抱え込まなくてよい」ということです。今回ご紹介したような支援の形も、親御さんの「ここだけがどうしても負担になっている」という声があったからこそ、検討が進められてきました。

もし、宿泊行事や遠出、学校生活の中で不安や悩みを感じていることがあれば、まずは区の相談窓口にご相談ください。そして、制度の狭間で難しさを感じることがあれば、その声をぜひ届けてほしいと思います。

大田区議会議員として、私はこれからも、日常生活を大きく変えずに支えられる、現実的で続けられる支援のあり方を、区政の中で問い続けてまいります。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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