大田区お役立ち情報

その紙、ごみではありません。大田区における古紙回収の現状と未来への課題

みなさま、こんにちは。大田区議会議員の 佐藤なおみ です。

皆様は「家庭から出るごみの中で、紙類が多い」と感じたことはありませんでしょうか。読み終わった新聞や雑誌、ネット通販の段ボールはもちろん、お菓子の空き箱や包装紙まで、私たちの生活はたくさんの紙に囲まれています。

その多くが、正しく分ければ貴重な資源として生まれ変わります。今回は、私たちのまち大田区の古紙回収の現状と、より良い未来のための課題について、少し考えてみたいと思います。

 

大田区の古紙回収、基本の方法

まず、大田区で古紙を出す方法について確認しましょう。主に2つの方法があります。

  1. 区による資源回収(週1回)
    お住まいの地域ごとに決められた曜日の朝8時までに、資源集積所に出す、最も一般的な回収方法です。
  2. 集団回収
    町会・自治会やマンション単位で自主的に行っているリサイクル活動です。実施している場合は、地域のルールに従って出します。活動の報奨金が地域の活動費になるなど、有意義な循環が生まれています。

 

出すときは「4種類」に分けて「ひもで十字に」

古紙を出す際の最大のポイントは、4種類にしっかり分けること。そして、それぞれひもで十字にしばることです。(※粘着テープはリサイクルの妨げになりますのでご注意ください)

品目 ポイント
① 新聞・チラシ 新聞とチラシは一緒にまとめます。
② 雑誌・雑がみ 雑誌や書籍と一緒に、**「雑がみ」**もまとめます。雑がみについては後ほど詳しく解説します。
③ 紙パック 中を洗って、開いて、乾かしてから束ねます。(※内側が銀色のものは可燃ごみへ)
④ 段ボール 宅配伝票やテープをはがし、折りたたんで束ねます。

 

見落としがちな「雑がみ」を資源に

「雑がみ」という言葉、聞きなれない方もいるかもしれません。これは、新聞・雑誌・紙パック・段ボール以外のリサイクルできる紙のことです。

<雑がみの例>

  • お菓子の紙箱
  • ティッシュの箱(ビニール部分は取る)
  • 包装紙、紙袋
  • コピー用紙、パンフレット
  • トイレットペーパーやラップの芯

これらは、つい可燃ごみに入れてしまいがちですが、立派な資源です。

細かいものは紙袋にまとめたり、雑誌にはさんだりして、古紙回収に出すようお願いします。大田区では、雑がみを入れるための**「雑がみ回収袋」**を清掃事務所などで配布していますので、活用されるとよいでしょう。

 

リサイクルのために知っておきたい課題

区や区民の皆さんの努力で進められている古紙回収ですが、いくつかの課題も抱えています。

 

課題①:リサイクルできない紙「禁忌品(きんきひん)」の混入

良かれと思って古紙に出したものが、実はリサイクルの流れを止めてしまうことがあります。こうしたリサイクルできない紙を**「禁忌品(きんきひん)」**と呼びます。

<禁忌品の例>

  • 感熱紙(レシートなど)
  • 防水加工された紙(紙コップ、カップ麺のフタなど)
  • 写真、アイロンプリント紙
  • においや汚れがついた紙(ピザの箱の油シミ、洗剤の箱など)

これらが混ざっていると、せっかく集めた古紙全体の品質が下がり、リサイクル工場で取り除くために多くの手間とコストがかかってしまいます。分別する際に「これはどちらか」と一瞬立ち止まることが、リサイクルの品質向上につながります。

 

課題②:「雑がみ」が“ごみ”になっている現実

環境省の調査では、家庭の可燃ごみに含まれる紙類のうち、多くがリサイクル可能な「雑がみ」であるというデータもあります。これは大田区も例外ではないと考えられます。

段ボールや新聞は意識していても、お菓子の箱や包装紙は「まあ、いいか」と捨ててしまいがちです。この「雑がみ」をどれだけ可燃ごみから資源へと移行させられるかが、ごみ減量と資源活用の大きな鍵となっています。

 

課題③:集団回収を支える地域コミュニティの変化

地域のつながりを基盤とする「集団回収」も、役員の高齢化や担い手不足という課題に直面している場合があります。非常に有意義な活動であるだけに、どうやって活動を未来につないでいくかは、地域全体の課題と言えるかもしれません。

 

私たちにできる、未来への一歩

これらの現状や課題を踏まえて、私たちが毎日の暮らしの中でできることは何でしょうか。

  1. 「これは雑がみか」と意識する
    まず、お菓子の箱や包装紙を捨てる前に「これは資源になるか」と考えてみることから始められます。
  2. 迷ったら確認する習慣を
    分別に迷ったときは、大田区のホームページなどで確認する一手間が、リサイクルの品質を守ります。
  3. 地域の活動に目を向ける
    もしお住まいの地域で集団回収が行われていたら、協力してみるのもよいでしょう。地域のつながりが深まるきっかけになるかもしれません。

ぜひ今日から、ごみ箱に入れる前の「ひと呼吸」を意識してみてはいかがでしょうか。

今回の古紙回収のことだけでなく、大田区の環境問題や区政全般について、何かお気づきの点やご相談がございましたら、いつでも私、佐藤なおみまでお声がけください。皆さまの声を、より良いまちづくりに活かしてまいります。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

ご意見やご相談はこちら

佐藤なおみへのご意見やご相談はこちら

佐藤なおみへのお問い合わせ

 

関連記事

TOP