こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
大田区は水害に弱いと言われています。その主な理由は、区の地形と、大きな河川や東京湾に面しているという地理的条件にあります。
主な理由
- 低い土地とゼロメートル地帯: 大田区の東部、特に羽田地域や沿岸部は、海抜の低い土地が広がっています。一部には満潮時の海面よりも土地が低い「ゼロメートル地帯」も存在するため、大雨や高潮による浸水のリスクが高くなります。
- 多摩川と海老取川: 区の南側を流れる多摩川は、流域で大雨が降ると増水し、堤防の決壊や越水による洪水を引き起こす可能性があります。また、区内には海老取川などの小規模な河川もあり、内水氾濫(下水道などで排水しきれない雨水が溢れること)のリスクも抱えています。
- 東京湾に面している: 沿岸部は、台風などによって引き起こされる高潮の被害を受ける危険性があります。特に、大型で強い台風が東京湾の最も奥に位置する大田区に接近した場合、甚大な浸水被害が想定されています。
大田区のハザードマップ
大田区では、これらの水害リスクを住民に知らせるため、詳細なハザードマップを作成・公開しています。ハザードマップでは、多摩川の洪水、内水氾濫、高潮といった異なる種類の水害について、浸水が想定される区域やその深さが色分けで示されています。
ご自身のお住まいの地域や勤務先などの浸水リスクを確認し、避難場所や避難経路を事前に把握しておくことが非常に重要です。大田区の公式ウェブサイトで最新のハザードマップを確認することをお勧めします。
わたしの実家も浸水した経験があります。
さて今日は、皆様の命と暮らしを守る「防災」、特に「水害」について、少しだけ私の個人的な話をさせてください。
2015年9月、私の故郷である栃木県を台風に伴う記録的な豪雨が襲いました。ニュースで鬼怒川の堤防が決壊していく衝撃的な映像をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
あの時、濁流に襲われた地域に、私の実家がありました。
「実家と連絡が取れない」
なんとか連絡がついた母から聞いたのは、想像を超えるものでした。
「あっという間に水が押し寄せて、家の1階は完全に水没してしまった。救助隊のボートで助けてもらったの」
幸いにも家族は全員無事でしたが、大切な家も、思い出の品も、水に浸かってしまい大変な思いをしたそうです。テレビの向こう側で起きていた「まさか」は、紛れもない現実となりました。
この経験は、私にとって防災への向き合い方を改めて変えるきっかけとなりました。そして、今私が議員として活動する大田区もまた、この水害のリスクと決して無縁ではないという危機感を抱いています。
ご存知の通り、大田区は南に多摩川、東に東京湾を臨み、区の東部には海抜の低い「ゼロメートル地帯」が広がっています。ひとたび想定を超える大雨や高潮が発生すれば、私の故郷で起きたような、いえ、人口が密集する大田区ではそれ以上の被害が発生する可能性があるのです。
だからこそ、私は区議会で防災対策の重要性を訴え続けています。堤防の強化や排水施設の整備といったハード面の対策はもちろん、ハザードマップの周知徹底や、地域ごとの避難訓練の実施といったソフト面の対策も、車の両輪として進めていかなければなりません。区としても、様々な対策にと組んではいるものの、行政の力だけでは、すべての命を守り抜くことはできません。
最終的に、ご自身と大切なご家族の命を守るためには、お一人おひとりの「備え」が不可欠です。
私の母は、救助されるまでの間、家の中で不安な時間を過ごしました。「まさか自分たちが」という思いと同時に、「もっと準備しておけば」という後悔もあったと話しています。
この記事を読んでくださっている皆様、どうか、他人事だと思わないでください。
まずは、大田区が発行しているハザードマップを開いて、ご自宅や職場にどのようなリスクがあるのかを確認することから始めてみませんか?そして、もしもの時にどこへ避難するのか、どうやって家族と連絡を取り合うのか、一度でいいので話し合ってみてください。
皆様の安全な暮らしを守ること。それが、わたしたち区議会議員に課せられた重要な使命でもあります。これからも、自身の経験を胸に刻み、防災対策に取り組んでまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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