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「みんなと一緒に行かせてあげたい」修学旅行の付き添い問題、議会での質問が拓いた新しい一歩

皆さん、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。

枕を並べて友達と夜通し語り合った、修学旅行の夜。
バスの中でみんなと歌った、遠足の帰り道。

こうした学校行事は、子どもたちの心に生涯残る、かけがえのない思い出となります。しかし、障害のあるお子さんを持つご家庭にとって、その輝かしい行事が、長年、大きな悩みの種となっていました。

「安全確保のため、保護者の方の付き添いをお願いします」

学校からそう告げられた時、親御さんたちの胸に去来するのは、どれほどの想いでしょうか。仕事を何日も休まなければならない負担。体力的、経済的な困難。そして何より、「なぜ、うちの子だけが…」という、言葉にならない悲しみです。

なぜ「親の付き添い」が当たり前だったのか

学校行事は、子どもたちの教育課程の一環です。本来であれば、学校の責任のもとで、すべての子どもが安全に参加できる体制が整えられるべきです。

しかし、「慣れない場所での万が一の事態に、学校の教員だけでは対応しきれない」「専門的なケアが必要」といった理由から、その負担が保護者に求められてきたのが、これまでの実情でした。

その結果、保護者の付き添いが難しいご家庭は、お子さんの参加を諦めざるを得ないという、あまりにも悲しい選択を迫られることさえあったのです。

「親の責任」にしないでほしい。私の議会での訴え

「お子さんの最高の思い出作りを、親の負担という理由で諦めさせてはならない」

その一心で、私はこの問題を大田区議会の場で取り上げ、質問や要望を出させていただきました。

「学校行事は教育の一環であり、障害の有無にかかわらず、すべての子どもに参加する権利があります。日常の学校生活で子どもを支えている専門の支援員こそが、校外活動でも付き添うべきではありませんか?」

「保護者の自己責任論に問題をすり替えるのではなく、教育委員会として、支援員を派遣する体制を責任もって構築すべきです」

 

そして、行政が動いた。大きな、確かな一歩です。

議会での質問と議論を重ねた結果、大田区側から、非常に前向きな答弁を引き出すことができました。

それは、「遠足や修学旅行等への支援員の付き添いについて、保護者からの要望があった場合、派遣に努める方向で善処していく」というものです。

「善処します」という言葉は、役所の言葉では「最大限努力します」という、とても重い約束です。これは、大田区が「校外活動の付き添いは、基本的に親の責任」というこれまでの姿勢を転換し、「行政と学校が責任をもって支援体制を整える」という方針へ、大きく舵を切ったことを意味します。善処して頂いた理事者の方には感謝してもしきれない思いです。

 

まだ道半ば、でも希望はある

もちろん、この答弁一つで、すべての問題がすぐに解決するわけではありません。支援員の方々の勤務条件や、予算の確保など、乗り越えるべき課題はまだたくさんあります。

しかし、最も重要だった「方針の壁」は向きを変え、扉は開かれたのです。
これからは、保護者の皆さんが「支援員の付き添いをお願いします」と、学校に要望できる土台ができました。

私はこれからも、この約束が確実に実行され、一人でも多くのお子さんが、最高の笑顔で友達と校外活動に参加できるよう、議会でこの問題について声を上げ続けてまいります。

もし、今まさにこの問題でお悩みの方がいらっしゃいましたら、どうか一人で抱え込まず、学校、そして私、佐藤なおみにもご相談ください。

あなたのお子さんの「みんなと一緒に行きたい」という願いを、一緒に叶えましょう。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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