こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
私自身、4人の子どもを育ててきました。そのうちの多くの期間をシングルマザーとして過ごし、子どもを預けられない不安や仕事との両立が思うようにいかない焦りを何度となく味わってきました。
毎年のように、「認可保育園に入れないかもしれない」「点数が足りるのかわからなくて眠れない」といった声が寄せられています。特に1〜3月は、メールも電話も急に増え、皆さんの不安がどれほど大きいのかひしひしと伝わってきます。
認可保育園の申込みは、区民の生活を大きく左右する重大な節目でありながら、制度そのものが複雑で、点数制度も、優先順位も、年度ごとの傾向も大きく変わります。「入れるのか、入れないのか」が人生設計に直結するほど重要だからこそ、十分な情報を得られない不安は当然のものだと感じています。
今回は、そんな不安を抱える方々に向けて、大田区で「認可保育園に入れない」と感じたときに探せる“代替手段”を、できるだけわかりやすい言葉で整理しながら、私の経験や日々届く相談から見えている課題も交えてお伝えしていきたいと思います。
認可保育園に入れない――これが家庭に生む影響の大きさ
「入れなかったらどうしよう」という心配は、単なる施設探しの悩みにとどまりません。
収入が安定しない。
キャリアが分断される。
転職を余儀なくされる。
両親・実家の支援を受けることが難しい。
そして育児の負担が一人に集中する。
こうした“生活全体への影響”は、ことさらシングル家庭や共働き家庭では深刻です。私もその一人でしたから「認可に落ちたら、明日からどうすればいいのか」という現実的な不安が、どれほど重くのしかかるのか身をもって経験してきました。
だからこそ今、皆さんがどんな思いで検索しどんなキーワードで情報を探し回っているのか──
「認可保育園 入れない」「大田区 保育園 点数」「認可保育園 落ちた どうする」その焦る気持ちが痛いほどわかります。
大田区でよく検索される“代替手段”とは
認可保育園に入れなかった、もしくは「入れないかもしれない」という状況になると、多くの方が次に検索するのが次のような制度です。
・小規模保育
・家庭福祉員(保育ママ)
・一時預かり
・ベビーシッター補助制度
・企業主導型保育施設
・認可外保育施設の空き状況
・区独自の子育て支援情報
これらはすべて「認可保育園に入れない」場合の救済策となり得るもので、実際に区民の皆さんの検索傾向を見ても認可保育園の合否が近づくほどアクセスが集中します。しかし、どれも制度が複雑で、実際にどう使えるのか料金がどれほどかかるのか、どの制度が家庭の働き方に合うのか、明確に説明されていないことも多いのが現状です。
そこで、ここからは私の言葉で大田区の制度を「実際の使いやすさ」に重点を置きながら、順番に解説していきます。
認証保育所は“認可に近い安心感”のある選択肢
大田区でも認証保育所は数が多く、認可の次に検討されやすい選択肢です。ただし保育料は施設によって差があります。とはいえ、認可外の中では比較的基準が整っているため、乳児の時期には十分選択肢になり得る制度です。
私自身、子どもを預けられる場所を求めて必死だった頃、認証保育所の存在がどれほど心を軽くしてくれたか忘れられません。「認可に入れなかったから終わり」ではなく、「認証というルートもある」と思えた瞬間、息が少しだけできるようになりました。
小規模保育は“少人数で見てもらえる安心感”が魅力
小規模保育は0~2歳までを対象にした少人数制の保育です。
認可と同じ扱いの“認可保育”ですが、定員が少ないため入りやすさは年度や地域によって大きく変わります。
ただ、実際に利用された保護者からは「少人数でしっかり見てもらえる」「先生との距離が近い」という声も多く届きます。子どもにとっても、家庭的な雰囲気は安心材料となることが多いようです。
家庭福祉員(保育ママ)は“家庭的な保育”を求める方に向いている制度
大田区は家庭福祉員制度が比較的残っている自治体です。個人宅で4人前後の小さな規模で子どもを預かるため、より家庭環境に近い保育を望む家庭には合いやすい制度です。
私自身、子育て中に「大人数の保育園にいきなり預けるのが心配」という相談を何度も受けてきましたが、そういった方には家庭福祉員が有力な選択肢になります。
ただ、定員が非常に少ないため地域差は大きく、選べる範囲が限られてしまう点が課題としてあります。
一時預かりは“つなぎ”としても“働き方”としても使える制度
・でも仕事は休めない
とはいえフルタイムで働くほど預け先が確保できない。
そんな“板挟み”になってしまう方も多いはずです。
その際に選択肢となるのが、区が設けている一時預かり制度です。特に大田区は数年前より枠を拡大しており、育休復帰前の「慣らし保育」として利用される方も増えてきています。数時間の利用から1日利用まで柔軟に選べるため、仕事のスケジュールに合わせやすい制度です。
ベビーシッター補助は“使える家庭にとっては強い味方”
東京都のベビーシッター補助制度は、認可に落ちた家庭にとって非常に大きな支えになっています。ただ、「どう申請するのか」「どこまで補助が出るのか」などが分かりづらいという声も多く、実際には制度を十分活用できていないケースも見られます。
私のところにも、毎年のように「補助の範囲を教えてほしい」「シッターの探し方がわからない」という相談が届きます。それだけ制度が複雑だということでもあり、もっと丁寧な案内が必要だと感じています。
制度は“知っているかどうか”で差がついてしまうのが現実
ここまでいくつかの制度をご紹介しましたが、”認可保育園に入れない”という状況に置かれたとき、これらの制度をどれだけ知っているかで、選べる未来が変わります。本来保護者が自分で調べ回らなくて良いはずのことを、当事者が時間を削って仕事の合間に情報をかき集め、制度の違いを比べ、家族で頭を抱えながら決めなくてはいけない。これが今の現状です。
私は子育てをしてきた立場からも、議員として相談を受け続けている立場からも、この状況は改善していくべきだと強く感じています。
“認可保育園に入れない”不安は、誰かの責任ではありません
これは声を大にしてお伝えしたいことなのですが、
制度が追い付いていないだけです。
私自身、4人の子どもを育てながら働き、どれだけ頑張っても思うように回らない時期がありました。「自分が悪いのでは」と思い込んでしまう保護者の方も多いですが、その必要はありません。大田区がもっと保育の幅を広げ、情報をわかりやすくし利用できる制度を整理し、必要な支援がすぐ届く仕組みを整えていくべきだと私は考えています。
最後に──同じ経験をしてきた立場だからこそ、寄り添えることがある
認可保育園に入れないときの不安は、本当に大きなものです。心配で眠れなくなったり、仕事が手につかなくなったり、周囲に話しても理解されなかったりすることもあるでしょう。
そんなときはどうか一人で抱え込まないでください。大田区には、代替手段も、支援制度も、まだまだ活かせるものがたくさんあります。そして何より、同じ道を歩んできた人間がいます。私自身、あの頃の不安を思い出すと今でも胸がぎゅっと締めつけられます。だからこそ、どんな小さなことでも相談していただければと思っています。
「認可保育園に入れない」──その言葉の裏にある不安に寄り添い、少しでも安心につながる情報を届けられるよう、これからも取り組んでいきます。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
ご意見やご相談はこちら
佐藤なおみへのお問い合わせ




