大田区お役立ち情報

大田区の防災対策の「今」と、私たちが備えるべきこと

大田区議会議員の佐藤なおみです。

今年の元日に発生した能登半島地震では、多くの方が被災され、今もなお、大変な生活を余儀なくされています。改めて、被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

この災害は、いつ、どこで大きな地震が起きてもおかしくないという現実を、私たちに改めて突きつけました。では、私たちのまち、大田区は災害に対してどのような備えをしているのでしょうか。

本日は、区の防災対策の現状と課題についてご報告し、「自分と大切な人の命を守る」ために、今、私たち一人ひとりが何をすべきか、皆様と一緒に考えていきたいと思います。

 

まずは「知る」ことから。ご自宅のリスクを確認していますか?

防災の第一歩は、**「自分の住む場所のリスクを知る」**ことです。大田区は、多摩川沿いの洪水リスク、内陸部の内水氾濫、そして東京湾に面していることによる津波や高潮のリスク、さらに台地と低地が混在することによる土砂災害のリスクなど、多様な災害リスクを抱えています。

区が発行している**「大田区防災ハザードマップ」**には、こうした情報が地図上に分かりやすく示されています。ご自宅や勤務先、お子さんの通学路にどのような危険が潜んでいるのか、まずはご家族皆様で確認することから始めてください。

 

「自助・共助・公助」で命を守る。大田区の主な防災対策

防災は、「自分自身で備える自助」「地域で助け合う共助」「行政が支援する公助」の連携が不可欠です。大田区では、この三つの連携を柱に、様々な対策を進めています。

 

1. 「揺れ」と「火災」への備え(自助と公助)

大地震で最も恐ろしいのは、建物の倒壊と、その後に発生する火災です。

  • 住宅の耐震化支援: 区では、旧耐震基準の建物を対象に、耐震診断や耐震改修工事への助成を行っています。
  • 火災から命を守る「感震ブレーカー」: 揺れを感知して自動で電気を止める「感震ブレーカー」の設置費用を助成しています。特に木造住宅密集地域にお住まいの方には、強く設置をお勧めします。
  • 家具の転倒防止: ご高齢の方や障がいのある方の世帯を対象に、家具転倒防止器具の取り付けを無料で行っています。まずは家の中の安全確保が第一です。

 

2. 「水害」から命を守る(自助と公助)

近年、集中豪雨による水害が頻発しています。

  • 的確な避難行動のために: 区では、警戒レベルに応じた避難情報を「区民安全・安心メールサービス」などで発信しています。ハザードマップでご自宅の浸水リスクを確認し、「垂直避難(建物の上の階へ移動)」で良いのか、「水平避難(安全な場所へ移動)」が必要なのか、あらかじめ判断しておくことが重要です。

 

3. 「地域」で支え合う(共助)

大規模災害時、行政の支援(公助)がすぐに行き届くとは限りません。そんな時に大きな力となるのが、ご近所での助け合い、「共助」です。

  • 自主防災組織への支援: 区では、自治会・町会などが結成する「自主防災組織」に対し、防災資機材の購入費助成や、訓練への支援を行っています。「自分たちのまちは自分たちで守る」という活動が、いざという時の地域の底力になります。

 

残された課題と、今後の取り組み

対策を進める一方で、解決すべき課題も山積しています。

  • 要配慮者の避難支援: ご高齢の方、障がいのある方、日本語が不自由な方などを、災害時に誰がどうやって安全な場所へ避難させるか。個別避難計画の作成を進めていますが、その実効性を高める担い手づくりが急務です。
  • ペットとの同行避難: 大田区ではペットとの「同行避難」を原則としていますが、避難所での飼育ルールやアレルギーを持つ方への配慮など、受け入れ体制の整備にはまだ課題が多く残されています。
  • マンション防災: 区民の多くが暮らすマンションでは、エレベーター停止後の高層階での生活や、住民同士の連携体制の構築が大きな課題となっています。区でもパンフレットを作成し啓発に努めていますが、各マンションでの具体的なルール作りが求められます。

 

今、私たちにできること

「自分は大丈夫」という思い込みが、最も危険です。公的な備えには限界があり、最終的に私たちの命を守るのは、私たち自身の「備え」です。

  • 最低3日分、できれば1週間の家庭備蓄(食料・水・簡易トイレなど)はありますか?
  • 災害時の家族との連絡方法(災害用伝言ダイヤル171など)は決まっていますか?
  • 地域の防災訓練に参加したことはありますか?

こうした一つひとつの備えが、あなたと、あなたの愛する人の命を救うことに繋がります。

私も区議会議員として、区民の皆様の安全・安心な暮らしを守るため、防災対策のさらなる強化、特に、残された課題の解決に全力で取り組んでまいる所存です。皆様からのご意見もお聞かせいただきながら、災害に強いまちづくりを一緒に進めてまいりましょう。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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