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過去の課題は今どうなっている?大田区の子育て・子ども支援の「現在地」と「これから」

こんにちは、大田区議会議員の佐藤なおみです。

先日のブログでは、私自身が栃木県で子育てをしていた際の経験から、「病児保育」「多様な働き方への対応」「経済的負担」という3つの課題についてお話ししました。

では、これらの課題に対して、現在の大田区はどのような対策を講じているのでしょうか。今回は、大田区の子育て・子ども支援の「現在地」と、今後取り組むべき「これから」について、具体的に解説します。

 

1.「子どもの急な発熱」への対策

かつて私が最も困難を感じた、子どもの急な病気に対応するための仕組みです。

現状の取り組み

大田区では、保護者が就労等の理由で看病できない場合に備え、複数の選択肢が用意されています。

  • 病児・病後児保育施設
    区内には、病気中または病気の回復期にあるお子さんを、医療機関等に併設された専用スペースで一時的に預かる施設が複数あります。看護師や保育士が常駐しており、安心して預けることができます。
  • 訪問型病児保育(おおたっこサポート)
    ベビーシッター事業者が自宅に訪問し、1対1でお子さんの世話をする制度もあります。送迎が困難な場合や、慣れた環境で過ごさせたい場合に有効な選択肢です。利用料の一部は区が助成しています。

今後の課題

一方で、課題も残っています。

  • 供給不足と予約の困難さ
    施設の数はまだ十分とは言えず、特にインフルエンザなどの感染症が流行する時期は予約が殺到し、利用したくてもできない「病児保育待機」が発生しています。
  • 利用のハードル
    事前登録が必要であったり、利用料金が比較的高額であることから、利用をためらう家庭もあります。制度の周知と、より利用しやすい料金体系の検討が必要です。

 

2.「多様な働き方」への対策

残業や不規則な勤務など、保護者の働き方に合わせた保育サービスも重要です。

現状の取り組み

  • 延長保育
    区内の多くの認可保育園で延長保育が実施されており、働く保護者のニーズに応えています。実施率は23区内でも高い水準にあります。
  • 一時預かり事業
    保護者の就労、通院、リフレッシュなど、理由を問わずにお子さんを一時的に預けることができる事業です。区内各所で実施されており、子育て家庭の負担軽減に繋がっています。
  • 休日保育
    日曜日や祝日に就労する家庭のために、一部の保育園で休日保育が実施されています。

今後の課題

  • 保育士の確保
    延長保育や休日保育を拡充する上で、最大の課題は保育士の不足です。保育士の処遇改善を進め、担い手を確保しなければ、サービスの維持・拡大は困難です。
  • 多様なニーズへの対応
    フリーランスや夜間に働く保護者など、さらに多様化する働き方に合わせた、より柔軟な保育サービス(夜間保育の拡充など)が求められています。

 

3.「経済的負担」への対策

子育てには継続的な経済的コストがかかります。その負担を社会全体で支える仕組みが不可欠です。

現状の取り組み

国の制度に加え、大田区は独自の支援策を講じています。

  • 保育料の負担軽減
    国の幼児教育・保育の無償化(3〜5歳児)に加え、大田区では所得制限なしで第2子の保育料を無償化、第3子以降は副食費も補助するなど、多子世帯への支援を手厚くしています。
  • 認可外保育施設等への補助
    認証保育所やベビーシッターなどを利用する保護者に対し、保育料の一部を補助する制度があり、多様な選択肢を経済的に支えています。
  • ひとり親家庭への支援
    児童育成手当や医療費助成など、ひとり親家庭の状況に合わせた経済的支援も行っています。

今後の課題

  • 制度の狭間にいる世帯
    現在の所得制限では、支援の対象からわずかに外れてしまうものの、実際には経済的な余裕がない世帯が存在します。物価高騰が続く中、より実態に即した支援基準の見直しが求められます。
  • 「申請主義」の壁
    支援制度の多くは、自分で情報を探し、申請しなければ利用できません。情報が届きにくい家庭や、手続きが複雑で利用を諦めてしまう家庭をなくすため、プッシュ型の情報提供や申請サポートの強化が必要です。

 

まとめ

大田区の子育て支援は、私が子育てをしていた頃と比較すれば、格段に進歩しています。しかし、社会の変化とともに新たな課題が生まれているのも事実です。

施設の数を増やすといった「量」の拡充はもちろん、保育の「質」の確保、そして何より、制度からこぼれ落ちる人がいないよう、一人ひとりの状況に寄り添うきめ細やかな支援が、これからの政治には求められています。

私自身、一人の当事者としての経験を忘れず、これらの課題解決に向けて、引き続き取り組んでまいります。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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