こんちには。大田区議会議員の佐藤なおみです。
前回のブログでは、大田区の特に医療的ケアなど専門的な支援を必要とするお子さんを受け入れられる施設や、それを支える人材が、増え続けるニーズに対して不足している状況にあるという内容を書かせて頂きました。
今回は以下に、その具体的な状況をまとめてみました。
1. 施設の状況:全体の数は増えているが、多様なニーズへの対応が課題
- 利用者数は増加傾向: 障害児通所支援(放課後等デイサービスや児童発達支援)の利用者は年々増加しており、サービスの需要が高まり続けています。
- 「待機児童」の問題: 「保育園の待機児童」と異なり、放課後等デイサービスには区が発表する明確な「待機児童数」の公式データはありません。しかし、希望する曜日や時間帯に利用できなかったり、自宅から遠い施設を選ばざるを得なかったりする「潜在的な待機」が発生しているとの声が聞かれます。
- 専門性の高い事業所の不足: 特に、重症心身障がいのお子さんや医療的ケアが必要なお子さんを受け入れられる事業所は、区内でも限られています。大田区自身も「おおた障がい施策推進プラン」の中で、こうした専門性の高い事業所の整備を今後の重要な目標として掲げています。
2. 人材の状況:福祉人材の確保・育成が区の課題
- 専門人材の必要性: 障がいのあるお子さんの支援には、児童指導員や保育士、理学療法士といった専門的な知識や経験を持つ人材が不可欠です。
- 確保・育成・定着の難しさ: 大田区の計画においても「福祉人材の確保・育成・定着支援」が明確に課題として挙げられています。これは、専門性が求められる仕事でありながら、労働環境や待遇の面から人材が定着しにくいという、全国的な課題とも共通しています。
- 需要の増加と人材不足: 事業所の数が増えても、そこで働く専門的な人材が確保できなければ、サービスの質を維持・向上させることは難しく、結果としてお子さんを受け入れられないという事態につながります。
まとめ
大田区では放課後等デイサービスの事業所数自体は増えてきていますが、利用希望者も同様に増え続けています。その中で、特に多様化・重度化するニーズに対応できる専門的な施設と人材の不足が、保護者の皆さんが「施設が足りない」と感じる大きな要因となっています。
区もこの状況を課題として認識し、計画的に施設の整備や人材確保を進めようとしています。議会としても、こうした計画が着実に実行されるよう、現場の声を届けながら後押ししていく必要があると考えています。
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