これは、2023年(令和5年)から児童福祉法に基づいて全国の自治体で本格的に始まった、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して妊婦さんやご家庭に寄り添い、相談に応じる支援体制のことです。
多くの場合、「伴走型(ばんそうがた)相談支援」という言葉で説明されます。
「妊婦等包括相談支援」とは?【目的と仕組み】
この制度の目的は、すべての妊婦さんが安心して出産・子育てができるよう、孤立や不安を防ぎ、必要な支援に繋げることです。
最大の特徴は、以前からお話しに出ている「経済的支援(妊婦のための支援給付)」と一体で実施される点にあります。単にお金を給付するだけでなく、専門職との面談を通じて一人ひとりの状況や悩みを把握し、その人に合ったサポートを提供することを重視しています。
大田区における具体的な取り組み
大田区では、この「妊婦等包括相談支援」を、主に以下の3つのタイミングで実施しています。
1. 妊娠届出時の「妊婦面接(かるがも面接)」
- 内容: 妊娠届を提出した後、保健師や助産師などの専門職がすべての妊婦さんと面談します。妊娠中の体調のこと、出産への不安、産後の生活の準備、利用できるサービスなど、どんなことでも相談できます。
- 役割: これが「伴走型支援」の最初の入口です。ここで専門職と「顔の見える関係」を築くことで、その後の妊娠期間中や産後も気軽に相談しやすくなります。また、この面接を受けることが、1回目の給付金(5万円)の申請の前提となります。
2. 妊娠8か月ごろのアンケート・面談
- 内容: 妊娠後期に入り、出産が近づく中での不安や体調の変化について、アンケートを通じて状況を確認します。希望する方には、助産師などによるオンライン面談も実施しています。
- 役割: 出産準備の最終確認や、産後に利用できるサービス(産後ケア事業など)の具体的な案内を行い、切れ目のない支援を続けます。
3. 出生後の「すこやか赤ちゃん訪問」
- 内容: 赤ちゃんが生まれた後、保健師や助産師がご自宅を訪問します。赤ちゃんの体重測定や発育の確認、お母さんの体調や育児の悩みについて相談に乗ります。
- 役割: 産後の生活が始まったばかりの最も大変な時期に、専門職が直接ご家庭の様子を見てサポートします。この訪問を受けることが、2回目の給付金(子ども一人あたり5万円)の申請の前提となります。
まとめ
大田区の「妊婦等包括相談支援」とは、言い換えると「妊娠届を出してから、赤ちゃんが生まれて少し落ち着くまで、専門家がずっと隣で寄り添ってくれる安心のサポート体制」のことです。
この支援は、お住まいの地域を管轄する以下の「地域健康課」が中心となって行っています。
- 大森地域健康課
- 調布地域健康課
- 蒲田地域健康課
- 糀谷・羽田地域健康課
経済的な支援だけでなく、こうした相談支援の仕組みを積極的に活用することが、安心して楽しいマタニタニティライフや子育てに繋がります。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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