大田区お役立ち情報

誰もが快適に過ごせる大田区へ 〜路上喫煙対策の現状と、これからの課題〜

皆さま、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。

いつも区政への温かいご関心とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

さて、私の元には日頃より、区民の皆さまから様々なお声が寄せられますが、中でも特に多いご意見の一つが「歩きたばこや路上での喫煙」に関するものです。「子どもの顔の高さにたばこの火があってヒヤリとした」「ポイ捨てされた吸い殻が街の景観を損ねている」といった切実なご意見をいただく一方で、「たばこを吸える場所があまりにも少なく、肩身が狭い」という喫煙者の方からのお声も頂戴しております。

そこで今回は、大田区の喫煙マナーに関する条例と、その現状と課題について、私の考えも交えながらご報告させていただきます。

 

大田区の取り組み:「大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例」

まず、私たちのまちには「大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例」というルールがございます。これは、望まない受動喫煙をなくし、区民の皆さまが安全・快適に過ごせる環境をつくるための大切な条例です。

主な取り組みとしては、以下の2点が挙げられます。

  1. 区内全域での歩きたばこの努力義務: 区内の道路や公園など公共の場所では、歩きながら(自転車に乗りながらも含む)の喫煙はしないように努めていただくことになっています。
  2. 「喫煙禁止重点対策地区」の指定: 特に人通りの多い蒲田駅や大森駅周辺などを「重点対策地区」とし、ここでは指定された喫煙所以外での喫煙は全面的に禁止されています。区の指導員の指導に従っていただけない場合は、1,000円の過料が科されることもございます。

区では、この条例の実効性を高めるため、指導員の皆さまが日々区内を巡回し、粘り強く声かけや啓発活動を行ってくださっています。また、煙が周囲に漏れにくい閉鎖型の喫煙所を設置するなど、環境整備にも努めております。

 

しかし、課題は山積しています

こうした取り組みを進める一方で、私も現場を歩く中で、いくつかの大きな課題を痛感しております。

  • 喫煙所の不足と過密化:
    禁止地区が広がる一方で、公衆喫煙所の数が足りていないのが実情です。その結果、数少ない喫煙所に利用者が殺到し、喫煙所から人があふれてしまったり、煙や臭いが周辺の迷惑になったりという新たな問題が生まれています。「喫煙所を増やしてほしい」という声と、「家の近くに喫煙所ができて迷惑している」という声。どちらも区民の皆さまからの切実な思いであり、行政として大変難しい舵取りを迫られています。
  • 規制エリア外でのマナー悪化:
    規制の厳しい地区を避け、そのすぐ外側の路上で喫煙する、いわゆる「ドーナツ化現象」が起きています。これでは、問題が場所を移動しただけで、根本的な解決には至っておりません。「ルールさえ守ればどこで吸っても良い」のではなく、周囲への配慮をどう促していくか、という視点が不可欠です。
  • 指導の限界:
    日々、炎天下や寒い日も区民のために巡回してくださっている指導員の皆さまには、本当に頭が下がる思いです。しかし、その場での注意が中心であり、マナー違反を根絶するには至っていないのが現実です。指導員の方々が心無い言葉を浴びせられる場面もあると伺っており、そのご苦労を思うと胸が痛みます。

 

誰もが快適に過ごせる大田区を目指して

これらの課題に対し、「規制の強化」と「分煙環境の整備」は車の両輪のようなイメージであり、どちらか一方だけを進めても問題は解決しない、と訴え続けております。

罰則をただ厳しくするだけでは、喫煙者を追い詰めるだけで根本的なマナー向上にはつながりません。かといって、喫煙所を無秩序に増やせば、非喫煙者の方々の快適な環境が損なわれてしまいます。

今後は、例えば地域の事業者や企業の皆さまにもご協力いただき、公開空地などに喫煙スペースを設置していただくような公民連携の取り組みや、AIカメラなどを活用した効果的な実態把握と啓発活動など、新たな手法も模索していくべきだと考えております。

喫煙する方、しない方、そして区外から訪れる方、誰もが互いを尊重し、気持ちよく過ごせるまちへ。それが私の目指す大田区の姿です。皆さまのお声を力に変え、議会活動に全力で取り組んでまいりますので、引き続きご意見、ご要望をお聞かせください。

大田区議会議員 佐藤 なおみ

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