皆様、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
先月、夫の父の三回忌を執り行いました。穏やかな時間のなかで故人を偲びながら、ふと二年前のことを思い出していました。突然の別れに呆然としながら、悲しむ間もなく次々と押し寄せる手続きの数々…。大切な人を失った直後は、誰もが冷静でいられなくなるものです。
あの時の経験を通じて、「もしもの時、どこに相談すれば良いのか、何から手をつければ良いのかを、区民の皆様にお伝えしておくことも大切な役割ではないか」と強く感じました。
今回は、大田区内でご家族や大切な方を亡くされた際に必要となる手続きと、区が提供しているサポートについてお話ししたいと思います。
1:まず、最初に行うこと「死亡届の提出」
ご家族が亡くなられた後、法的に最初に行わなければならない手続きが「死亡届」の提出です。これは、医師が作成する「死亡診断書」と一体になった書類です。
- いつまでに:亡くなった事実を知った日から7日以内です。
- どこへ:大田区役所本庁舎1階の戸籍担当窓口、または各特別出張所です。
- 大切なポイント:大田区役所本庁舎では、夜間や休日でも24時間365日、届出を受け付けています。動揺している中で、時間を気にする必要はありません。
- 必要なもの:死亡届(死亡診断書)、届出人の印鑑。
この死亡届を提出すると、「火葬許可証」が交付されます。この許可証がなければ火葬を行うことができないため、最も重要で、最初に行う手続きとなります。
2:お見送りの形を考える「区民葬儀」という選択肢
葬儀の準備は、精神的にも経済的にも大きな負担となりがちです。どこに依頼すれば良いのか、費用はどれくらいかかるのか、不安に思われる方も少なくないでしょう。
そのような時のために、大田区には「区民葬儀」という制度があります。
これは、区と協定を結んだ区内の葬儀社(大田区葬祭業協同組合)が、協定料金という比較的安価な価格で葬儀を執り行ってくれる制度です。祭壇や霊柩車、火葬料金などの基本料金が明確に定められているため、安心して依頼することができます。
利用を希望される場合は、区民葬儀の取扱店に直接連絡し、「区民葬儀でお願いしたい」と伝えるだけです。取扱店の一覧は、大田区のホームページでご確認いただけます。もちろん、ご自身が信頼できる他の葬儀社に依頼することも自由です。あくまで、区民の皆様のための「選択肢の一つ」として、この制度があることを知っておいていただければと思います。
3:葬儀後の複雑な手続きをサポート「おくやみコーナー」
葬儀を終えても、残念ながらご遺族の仕事は終わりではありません。健康保険や年金、税金、各種名義変更など、関係各所で行うべき手続きが山のようにあります。
「何から手をつければいいの?」「どこに行けばいいの?」――そんなご遺族の負担を少しでも軽くするため、大田区役所本庁舎1階には「おくやみコーナー」という専門窓口が設置されています。
ここは、予約制で、ご遺族に必要な手続きをリストアップし、担当窓口を案内したり、申請書の作成をサポートしたりしてくれる場所です。様々な課をたらい回しにされることなく、落ち着いて相談ができます。深い悲しみの中にいるご遺族にとって、心強い味方となってくれるはずです。
悲しみに寄り添う、切れ目のない支援を
大切な人を失った悲しみを、行政が取り除くことはできません。しかし、その悲しみに追い打ちをかけるような手続きの煩雑さや、経済的な不安を、少しでも和らげるお手伝いはできるはずです。
24時間対応の死亡届受付から、区民葬儀という選択肢、そして葬儀後のおくやみコーナーでのサポートまで。大田区は、ご遺族の心に寄り添い、切れ目のない支援を行えるよう努めています。
もしもの時は、どうか一人で抱え込まず、私たち行政の窓口を頼ってください。故人を安らかにお送りし、ご遺族が少しでも穏やかな時間を取り戻せるよう、私も議員として、こうした支援の輪をさらに広げていきたいと考えています。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
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